おんねこ「がんばれして」は、作中の「ねぇ…がんばれ…して…?」という独特なセリフが元ネタで、2022年7月末にはすでにネット上で話題になっていました。
「おんねこ がんばれ」「がんばれしてって何?」と検索した方に向けて、元ネタの場面、意味、いつ広まったのかを、確認できる記録と推測を分けながら整理します。
おんねこ「がんばれして」とは?元ネタと意味を整理

「がんばれして」とは、『おんねこ』に登場する「ねぇ…がんばれ…して…?」というセリフから生まれたネット上の呼び方です。
「がんばれして」という技名や正式な用語が作品内に設定されているわけではありません。
作中のセリフの中でも特に印象の強い「がんばれ」と「して」の組み合わせが切り取られ、ネット上で「がんばれして」と呼ばれるようになった、と考えるのが分かりやすいでしょう。
『おんねこ』は、ネット上で和々寺らおんさんの作品として知られた漫画です。
後述する2024年4月25日の大阪地方裁判所判決に掲載された2022年12月22日の投稿内容にも、「和々寺らおん先生作」「温泉が好きなネコの漫画『おんねこ』」という説明が記録されています。
では、「がんばれして」とは日本語として何を意味するのでしょうか。
自然な言葉に置き換えるなら、
「『がんばれ』って言ってほしい」
あるいは、
「励ましてほしい」「応援してほしい」
という意味に近いでしょう。
普通、「がんばれ」は誰かを励ますために相手へかける言葉ですよね。
ところが「がんばれして」では、その「がんばれ」という言葉そのものを、「なでなでして」「よしよしして」のように相手にしてもらう行為のような形で扱っています。
文法として丁寧に言い換えれば「『がんばれ』って言って」となりそうなところを、「がんばれして」と一気に縮めているわけです。
ここが、このセリフが忘れにくい最大のポイントだと私は感じます。
まったく意味不明な日本語ではありません。
初めて見ても、「ああ、励ましてほしいんだろうな」と感情はかなり簡単に読み取れますよね。
それなのに、普段の会話ではまず聞かない。
意味は一瞬で伝わるのに、言葉の形だけが妙に引っかかる。
この「分かるけれど変」という距離感が、「がんばれして」の強い個性になっています。
実際、2022年7月27日夜の掲示板を記録したページでは、「ねぇ…がんばれ して…?」という書き込みに対し、「口に出して読みたくなるセリフ」という趣旨の反応が確認できます。
つまり、この時点ですでに物語の内容だけではなく、セリフの語感そのものが注目されていたわけですね。
「ねぇ…がんばれ…して…?」はどんな場面?誕生日回とは分けて考える
「がんばれして」の意味が分かると、次に気になるのは「おんねこは、なぜ励ましてほしかったの?」という点でしょう。
ここはネット上で情報が混ざりやすい部分なので、慎重に整理する必要があります。
結論から言うと、「がんばれして」と誕生日プレゼントのエピソードを、同じ場面として説明するのは避けた方が安全です。
2022年7月当時の掲示板を保存した記録では、「がんばれして」が仕事上の失敗を夜に思い返すエピソードと関連付けて語られています。
そこでは、おんねこについて「カフェモカを間違えたみたいな仕事失敗エピソードと夜寝る前にフラッシュバックする話」という説明があり、その直後の流れでも「がんばれ…して…」という言葉が書き込まれています。
ただし、ここで大切なのは、現在確認しやすいものの多くが当時の掲示板や二次的な保存記録だということです。
そのため、「この店で、この客に、何を注文され、何を出した」といった細部まで、現在残っている断片だけから断定的に再構成するのは適切ではありません。
確認できる範囲で整理すると、仕事中の飲み物に関する失敗があり、その出来事を後になって思い返して落ち込む流れと「がんばれして」が結び付けられていた、と見るのが妥当でしょう。
一方で、『おんねこ』には誕生日プレゼントをめぐる別の有名な場面があります。
2022年7月28日のX投稿では、『おんねこ』のセリフとして「プレゼントのために今日まで生きてないから」という言葉が取り上げられていました。
こちらも独特な言い回しとして当時注目されましたが、「がんばれして」と同じ場面だとする根拠にはなりません。
ネット文化を追いかけていると、こうした混同は意外と起こりやすいんですよね。
作品全体を順番に読んだ記憶ではなく、「有名な1コマ」「有名なセリフ」だけが画像や掲示板経由で何度も共有されると、数年後には別々のエピソードが頭の中で一本につながってしまいます。
だからこそ、この記事では確認できることと、ネット上で後から語られた説明を分けて扱うようにしています。
個人的には、この前後関係を知ると「がんばれして」の見え方も少し変わりました。
言葉だけ抜き出せば、「なんだか変わった日本語だな」と笑われやすいセリフです。
ところが感情だけを見ると、かなり身近なんですよね。
仕事で失敗したあと、家に帰ってから「あのとき、ああすればよかった」と思い出してしまう。
そんなとき、誰かから少し励ましてほしくなることはありませんか。
感情はとても普通なのに、それを表す言葉だけが独特。
「がんばれして」が何年たっても印象に残る理由を考えるうえで、このズレはかなり重要だと思います。
おんねこ「がんばれして」はいつから有名?2022年7月末には確認できる

「がんばれしては2022年9月ごろに流行った」といった説明を見かけることがありますが、確認できる記録を見る限り、もっと早い段階です。
少なくとも2022年7月27日には、すでにネット掲示板上で「がんばれして」が単独で通じるセリフとして使われていました。
時系列を、確認できる記録だけに絞ると次のようになります。
| 時期 | 確認できる出来事 |
| 2022年7月27日 | 掲示板で「がんばれして」が繰り返し書き込まれ、セリフ自体への反応も確認できる |
| 2022年7月29日 | 「ねぇ…がんばれ…して?」を前面に出した掲示板スレッドが立つ |
| 2022年9月30日 | 『おんねこ』公式アカウントが漫画・イラストの更新終了を告知 |
| 2024年1月11日 | 「がんばれして」を中心にした掲示板の話題が再び確認できる |
| 2024年1月14日 | 1月11日の話題を保存したまとめ記事が公開される |
2022年7月27日の記録では、午後10時台のスレッドですでに「がんばれして…?」という書き込みがあり、別の流れでも同じ表現が繰り返されています。
さらに同日午後11時36分ごろには、「ねぇ…がんばれ して…?」という投稿に対して、そのセリフを好意的に面白がる反応が付いています。
そして2022年7月29日午前9時48分には、「ねぇ…がんばれ…して?」を中心にしたスレッドが開始されたことも記録されています。
ここから分かるのは、7月末の時点で「がんばれして」は元の漫画の一セリフから、単体で反応される言葉へ変化し始めていたということです。
ただし、「7月27日が最初の使用日だった」とまでは断定できません。
これは重要な違いです。
現在検索で確認できる記録の中では7月27日まで遡れる、というだけで、それ以前に原作が公開されていた可能性や、別の場所ですでに言及されていた可能性までは否定できません。
SEO記事では「最古」「初出」「ここから流行した」と言い切りたくなるところですが、一次資料がそろっていないなら、「少なくともこの日には確認できる」と書く方が信頼性は高いと私は考えます。
その後、2022年9月30日には『おんねこ』公式アカウントが、漫画とイラストの更新を終えることを発表しました。
保存されている投稿では、長期間更新できていなかったことや、さまざまな意見を踏まえて考えた結果であり、描き切れていないエピソードが残る中での決断だったことが説明されています。
ところが、作品の更新が終わっても「がんばれして」は消えませんでした。
2024年1月11日の掲示板記録では、「がんばれして」という言葉を印象的なセリフとして評価する複数の書き込みが確認できます。
2022年7月から約1年半が過ぎても、言葉だけで話題が成立しているんですね。
この点から見ると、「がんばれして」は作品の更新期間だけに依存した一時的なセリフではなく、原作を離れて再利用されるネット語録へ変わったと考えられます。
なぜ「がんばれして」はネットで残った?3つの強さを考察
では、なぜ数ある『おんねこ』のセリフの中で、「がんばれして」はこれほど記憶されやすかったのでしょうか。
ここからは、確認できる反応を踏まえた筆者の考察です。
まず大きいのは、元ネタを知らなくても意味を推測できることでしょう。
「がんばれして」と言われれば、詳しい状況が分からなくても「励ましてほしいんだな」と想像できますよね。
ネット上で長く再利用される言葉には、元ネタを知らない人でもある程度意味が通じるものが少なくありません。
作品を全部読んでいなければ使えないセリフよりも、「疲れた」「失敗した」「応援してほしい」という日常的な場面へ持ち出せる言葉の方が、当然ながら使える機会は多くなります。
二つ目は、短さです。
「ねぇ…がんばれ…して…?」は短い。
しかも、特徴の中心である「がんばれして」だけなら、さらに短くなります。
2022年7月27日の掲示板でも、すでに説明を付けず「がんばれして…?」と書くだけの使われ方が確認できます。
これはかなり重要です。
長いセリフの場合、元の文脈ごと覚えなければ成立しません。
「がんばれして」はわずかな文字数で、落ち込み、甘え、励ましを求める気持ちまでまとめて表せます。
三つ目は、日本語として完全に壊れてはいないのに、普通でもないことです。
「がんばれ」を名詞のように扱い、その後ろへ「して」をつなげる。
たとえば「よしよしして」「ぎゅってして」「褒めて」と同じ場所へ、「がんばれして」を置いたような形ですよね。
このズレがあるため、読んだ瞬間に少し引っかかります。
でも意味は通じる。
私は、ネットで残るフレーズにはこの「理解するまで0.5秒だけ引っかかる感じ」が意外と強いのではないかと考えています。
難解すぎれば説明が必要です。
自然すぎれば記憶に残りません。
「がんばれして」は、その中間にいます。
だから2022年7月当時から、内容への感想だけでなく「口に出して読みたくなる」という反応まで生まれたのでしょう。
さらに面白いのは、作品からセリフへ進むだけでなく、セリフから作品へ戻る検索経路が生まれていることです。
一般的な名ゼリフなら、
「作品を見る→セリフを知る」
という順番ですよね。
しかしネット語録になると、
「がんばれしてを見る→何の言葉なのか気になる→『おんねこ』を調べる」
という逆方向が起こります。
「おんねこ がんばれ」「おんねこ して」と検索する人がいるのは、まさにこのタイプでしょう。
作品の本編より先にセリフを知る。
これはSNSや掲示板を通じて断片的なコンテンツが広がる時代ならではの現象だと感じます。
おんねこの画像と「がんばれして」を紹介するときの著作権は?

「文章だけではなく、元の漫画画像を見たい」と思う方もいるでしょう。
ただし、『おんねこ』について調べる際には、ネット上に残っている漫画画像を自由に転載できると考えない方がよいでしょう。
『おんねこ』の画像利用については、実際に大阪地方裁判所の判断が出ています。
2024年4月25日、大阪地方裁判所第26民事部は、Xへの投稿をめぐる発信者情報開示請求事件について判決を言い渡しました。
事件番号は令和5年(ワ)第11319号です。
この事件では、株式会社ラウンドワンがX上で募集していたクレーンゲーム景品用のキャラクターに関連し、2022年12月22日、第三者が『おんねこ』の画像4点を添付して返信した投稿が問題となりました。
裁判所は、対象となった画像について、猫や動物の描き方だけでなく、漫画に含まれるセリフについても作者による表現上の選択があるとし、美術または言語の著作物に当たると判断しました。
さらに、画像をXへ掲載した行為について複製権と公衆送信権の侵害を認定しています。
被告側は、画像は『おんねこ』を説明するためのもので、批評目的の引用に当たるという趣旨の主張をしました。
しかし裁判所は、投稿の文章が作者の応募文を一部変更した形になっていたことなどから、作品や応募を揶揄・茶化すものと評価し、その画像利用は報道・批評・研究などの目的上、正当な範囲での引用とは認められないと判断しました。
その結果、発信者情報の開示請求が認められています。
ここで注意したいのは、「おんねこの画像を掲載したらすべて著作権侵害になる」という意味ではないことです。
この判決は、2022年12月22日に行われた特定の投稿について、その目的や文章、画像の利用方法などを踏まえて判断したものです。
引用には個別の条件があります。
逆にいえば、「ネットで拾った画像だから」「作者名を書いたから」という理由だけで、そのまま転載してよいことにもなりません。
「がんばれして」の元ネタを紹介したい場合も、漫画画像を無断でコピーしなくても、セリフの意味や当時の反応、確認できる時系列を自分の言葉で説明できます。
個人的には、その方がこのフレーズの面白さも見えてくると思っています。
一枚の画像だけを見るのではなく、2022年7月にどのように切り取られ、作品の更新終了後も言葉だけが残ったのかを追うと、「がんばれして」がネット文化の中でどう変化したのかが分かるからです。
おんねこ「がんばれして」が今も印象に残る理由を考察
ここからは筆者としての考察です。
私は「がんばれして」が記憶に残った理由を、単純に「変な日本語だったから」と片付けるのは少しもったいないと感じます。
この言葉の面白さは、言い方は変なのに、気持ちは普通すぎるほど普通なところにあります。
失敗した。
後になって思い出した。
ちょっとへこんだ。
誰かに励ましてほしい。
ここまでなら、誰にでも起こり得る感情ですよね。
しかし「励ましてほしい」と普通に言えば、漫画の一セリフとしてここまで特徴的にはならなかったでしょう。
逆に意味が分からないほど奇妙な言葉なら、元ネタを知っている人しか使えません。
「がんばれして」は、ちょうどその間です。
一瞬「ん?」と思う。でも次の瞬間には意味が分かる。
このテンポが非常にネット向きだったのではないでしょうか。
実際、2022年7月27日の時点でフレーズだけが繰り返し使われ、7月29日には「ねぇ…がんばれ…して?」を中心とするスレッドまで確認できます。
さらに2024年1月にも、同じセリフについて「名言」と捉える反応が記録されています。
これは、「一度バズった画像が残っている」というだけとは少し違います。
セリフ単体に再利用できる力があったと見る方が自然です。
そして私は、ここが『おんねこ』を調べるときの重要なポイントだと考えています。
ネット上には、作品に対する好意的な反応だけでなく、揶揄や厳しい批判も数多く残っています。
しかし、匿名掲示板の強い言葉を集めて「世間の評価はこうだった」と断定するのは適切ではありません。
掲示板の書き込みから確実に読み取れるのは、作品全体の客観的な評価ではなく、その場所、その時間に、どんな言葉が話題になっていたかです。
「がんばれして」についても同じでしょう。
作品を高く評価するかどうかとは別に、2022年7月末の段階でセリフが単独で繰り返され、2024年にも再び話題になっている。
この事実だけでも、言葉としてかなり強い印象を残したことは分かります。
作者が最初からネット流行語を狙って書いたのかどうかは確認できません。
そこを勝手に推測するべきでもないでしょう。
ただ結果として、漫画の中の短い一言が読者によって切り取られ、掲示板で繰り返され、原作の更新終了後も別の会話で使われるようになった。
作品の一セリフが、読者側の使い方によって「作品を知らなくても意味が通る言葉」へ変わっていった。
そこに「おんねこ がんばれして」という話題の面白さがあると、私は考えています。
まとめ
おんねこの「がんばれして」とは、作中の「ねぇ…がんばれ…して…?」というセリフを元にしたネット上の呼び方です。
意味としては「『がんばれ』って言ってほしい」「励ましてほしい」「応援してほしい」に近く、普通なら発言として使う「がんばれ」を、相手にしてもらう行為のように表現している点が特徴です。
元ネタの場面については、誕生日プレゼントのエピソードと混同しない方がよいでしょう。
2022年7月当時の掲示板記録では、飲み物に関する仕事上の失敗を後で思い出す話と「がんばれして」が関連付けられていますが、現在確認できる二次記録だけで細部まで断定するのは避けるのが安全です。
広まった時期については、少なくとも2022年7月27日には「がんばれして」がネット上で使われており、7月29日にはセリフを前面に出したスレッドも確認できます。
その後、2022年9月30日に『おんねこ』の漫画・イラスト更新終了が発表されましたが、2024年1月にも同じセリフが再び話題になりました。
私は「がんばれして」の強さは、奇妙さそのものよりも、奇妙なのに気持ちがすぐ伝わることにあると考えています。
「何それ?」と思うのに、意味は説明される前から分かる。
その絶妙な引っかかりが、漫画の一セリフをネット上で長く記憶される言葉へ変えていったのでしょう。
よくある質問
おんねこの「がんばれして」とはどういう意味?
「ねぇ…がんばれ…して…?」という作中のセリフが元ネタです。
意味としては、「『がんばれ』って言ってほしい」「励ましてほしい」と考えると分かりやすいでしょう。
通常は相手へ言う「がんばれ」という言葉を、「よしよしして」のように自分へしてもらう行為として表現しているところが特徴です。
「がんばれして」は誕生日プレゼントの場面なの?
同じ場面として扱わない方が正確です。
2022年7月当時の掲示板記録では、「がんばれして」は仕事上の失敗を後で思い出すエピソードと関連して語られています。
一方、「プレゼントのために今日まで生きてないから」は別の『おんねこ』のセリフとして、2022年7月28日時点で取り上げられていました。
複数の有名な場面が断片的に共有されたため、後から混同されやすくなったと考えられます。
おんねこの「がんばれして」はいつ頃から有名?
確認できる範囲では、遅くとも2022年7月27日にはネット掲示板で使われていました。
同日の記録ではセリフそのものへの反応もあり、2022年7月29日には「ねぇ…がんばれ…して?」を中心にしたスレッドも確認できます。
ただし、7月27日を「絶対的な初出」と断定できる資料までは確認できません。
正確には、現在確認できる記録では少なくとも2022年7月末には話題になっていたと理解するのがよいでしょう。
星野悠真(エンタメ系コラムニスト / IT会社員)


コメント